アフリカ北東部に位置するナイル・エチオピア地域には、貧困や紛争といったイメージがつきまとっています。実際、そうした問題の多くは今なお未解決のままです。列強による侵略や植民地支配の歴史、不安定な内政、外部からの武器の流入、天然資源をめぐる大国の思惑などの要素が複雑に絡みあって、解決を難しくしているのです。
しかし、わたしたちがそこに絶望しか見出さないとすれば、それは大きな誤りです。苦しい状況にあっても、地域の人々は互いに助けあい、希望を失うことなく輝きながら生きています。この公開シンポジウムでは、そんな希望の秘密を、地域社会と教育との関係に焦点をあわせて、それに関わる人々による具体的な実践のなかに探っていきます。
また、このシンポジウムが開催される明星大学日野校は、東京という大都市の郊外である多摩地域にあります。郊外やそこに建設されたニュータウンは、人と人の繋がりが希薄な場所であると言われてきましたが、そこでもまた教育における地域との連携は求められています。地域の人たちと手を携えた学校の熱い取り組みを紹介します。
<地域と教育>という観点でナイル・エチオピアと多摩が出会うとき、何が見えてくるのでしょうか。それは、人が生まれ、育てられ、そしてそうやって成長した人々が今度は力をあわせて新しい世代を育て、そのなかで自らもまた成長していくという、人間社会の最も基本的なあり方なのかもしれません。そんなことを参加者一人ひとりが改めてみつめる機会になればと思います。


